現場改善ラボ 記事一覧 お役立ち情報 有機溶剤の労災を防ぐ安全対策3選!ヒヤリハットや対策の義務も解説

工場向け安全対策に役立つ動画マニュアル「tebiki現場教育」を展開する、現場改善ラボ編集部です。

有機溶剤は多くの製造現場で不可欠な一方で、ひとつのミスが引火や深刻な中毒事故を招き、重大な労働災害に直結するリスクをはらんでいます。一方、「作業者の安全意識が定着しない」「教育が属人化しておりバラつきがある」と頭を抱える管理者や安全担当者の方も多いのではないでしょうか。

本記事では実際に工場の勤務経験がある筆者の観点も踏まえ、有機溶剤中毒予防規則に基づく法的義務や実務的な3つの安全対策を、実際のヒヤリハット・死亡事故事例を交えて解説します。さらに、確実な技術伝承と教育の標準化を実現するツールの活用法も紹介するので、是非お役立てください。

なお昨今、「安全な作業手順を動画マニュアルで見える化し、標準化を進める」現場が増えており、工場における主要な安全対策として広く浸透し始めています。詳しい改善効果や事例は「動画マニュアルを活用した安全教育・対策事例(pdf)」をご覧ください。

労災が起きてからでは遅いので、ヒヤリハットで済んでいる現状のうちに安全対策を練ることが鍵を握ります。

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目次

有機溶剤の安全対策はなぜ重要?

有機溶剤とは、他の物質を溶かす性質を持つ有機化合物の総称です。塗装や洗浄など製造現場で使用されている一方で、以下2つの理由から使い方を誤ると重大な事故につながります。

  • 揮発・引火による労働災害のリスクがあるため
  • 中毒による健康被害を引き起こしかねないため

※以下の資料では、危険作業における安全対策の新しい教育アプローチについて解説しています。

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揮発・引火による労働災害のリスクがあるため

有機溶剤の安全対策が重要な最大の理由は、常温でも気化しやすく、非常に引火しやすい性質にあります。

多くの有機溶剤は揮発性が高く、気づかないうちに可燃性の蒸気が現場に充満してしまいます。そこに静電気やスイッチの火花が少しでも飛べば、大規模な爆発や火災事故を起こしかねません。

例として、換気が不十分なタンク内で塗装作業中に、照明器具の火花で爆発したといった事例は後を絶ちません。また、冬場の乾燥した時期に静電気で引火し、作業員が重度の火傷を負うケースもありえます。

だからこそ、現場では「目に見えない蒸気」のリスクを常に意識しなければなりません。防爆構造の採用や徹底した換気対策を行うことが、現場管理者の責務として不可欠と言えるでしょう。

中毒による健康被害を引き起こしかねないため

有機溶剤は呼吸器や皮膚から体内に吸収され、人体に深刻な悪影響を及ぼしかねません。適切な保護具なしで作業を続けると急性または慢性の中毒症状を引き起こし、最悪の場合は死に至る危険性すらあります。

ここでは具体例として、以下2つの中毒について解説します。

  • 急性中毒の具体例
  • 慢性中毒の具体例

急性中毒の具体例

急性中毒は、高濃度の有機溶剤蒸気を短時間で吸入し、溶剤が脳や神経系を麻酔状態に陥らせることで発生します。埼玉県庁によると、以下のように言及されています。

これらの有機溶剤には麻酔性があり、気化したものを吸い込むと中枢神経に強く作用して急激な酩酊状態(酔っ払った状態)となる。不安や緊張感が弱まり、興奮状態の中で、幻覚、知覚異常をおこす。長期に吸っていると筋肉の萎縮による歩行困難、視力の低下、脳の萎縮による痴呆の症状などが現れる。

引用元:埼玉県庁「有機溶剤」

埼玉県庁が注意喚起しているのは塗料用のラッカー・シンナーや接着剤のボンドなど、有機溶剤に含まれる「トルエン」や「キシレン」といった物質の有害性です。

現場で身近な溶剤でも注意が必要で、換気不足のピット内やタンクなどの密閉空間であれば、わずか数分で危険な状態になります。「においがきつい」と感じた時点で、すでに体への影響は始まっていると考えるべきでしょう。

現場で異常を感じたら直ちに作業を中止し、新鮮な空気の場所へ退避させることが、命を守る鉄則です。

慢性中毒の具体例

慢性中毒とは、低濃度の有機溶剤に長期間にわたって曝露(ばくろ)し続けることで、健康障害が段階的に進行する状態を指します。埼玉県が公開している資料では、その深刻な病態について次のように警鐘を鳴らしています。

長期に吸っていると筋肉の萎縮による歩行困難、視力の低下、脳の萎縮による痴呆の症状などが現れる。

引用元:埼玉県長「有機溶剤」

慢性中毒の本質的な恐ろしさは、体内に取り込まれた有害物質が脳・肝臓・腎臓・造血器といった特定の標的臓器に対し、不可逆的(回復困難)なダメージを蓄積させていく点にあります。

代表的な例として、ベンゼンによる白血病や再生不良性貧血、ノルマルヘキサンによる手足のしびれ(末梢神経障害)や、肝機能障害による全身の倦怠感などが見られます。

慢性中毒は、初期段階では「なんとなく体が重い」「疲れが取れない」といった病気と気づかないほど緩やかな体調の変化しか見られないのが特徴です。自覚症状による早期発見が極めて困難なため気づいた時には既に重症化しており、完治が望めないケースも少なくありません。

一度損なわれた健康は、労働者のキャリアだけでなく人生そのものに甚大な影響を及ぼします。長期的な曝露リスクを前提とした環境改善と、定期的な特殊健康診断による早期発見・早期対策が不可欠です。

有機溶剤中毒予防規則(有機則)が定める具体的な義務

有機溶剤を扱う現場では「設備」「管理」「健康」の3つの側面で厳格な法的義務を遵守しなければなりません。理由は、労働安全衛生法に基づく「有機溶剤中毒予防規則(有機則)*1」により、事業者が講ずべき措置が細部まで規定されているためです。

▼具体的な法的義務の例▼

遵守すべき項目根拠法令具体的措置
設備の設置有機則 第5条蒸気の発散を防ぐため局所排気装置や密閉設備を設置し、有効に稼働させる
作業環境の測定有機則 第28条6ヶ月に1回定期的に測定を行い、その結果を記録して3年間(またはそれ以上)保存する
特殊健康診断有機則 第29条対象作業に従事する労働者に対し6ヶ月に1回、医師による専門的な健康診断を実施する
管理体制の整備有機則 第19条、第39条有機溶剤作業主任者を選任し、呼吸器保護具の着用指導や設備の点検を適切に行わせる

こうした義務を怠ることは法的な処罰対象となるだけでなく、従業員の命を危険にさらす重大な過失です。現場管理者は法令を再確認し、抜け漏れのない安全体制を構築することを心がけましょう。

なお、安全対策が浸透している現場では「動画マニュアル」による、安全な作業手順の見える化が推進されています。詳しい改善効果や事例は動画マニュアルを活用した安全教育・対策事例をご覧ください。

有機溶剤のヒヤリハット・事故事例

一瞬の油断が爆発や中毒を招き、作業者の命を奪うのが有機溶剤の恐ろしさです。ここでは実際に現場で発生したヒヤリハットや死亡事例として、以下の4つを紹介します。

このようなヒヤリハットは、労働災害を防ぐヒントとなる重要な情報です。現場からヒヤリハットを吸い上げ、対策に落とし込むことはゼロ災達成に効果的ですが、「報告書の作成が手間」「報告フローが未整備」といった課題が原因でうまくいかないケースも見られます

そのような現場に向け、現場ですぐに使える「ヒヤリハット報告書」が内包されたヒヤリハット事例・対策集をご用意しておりますので、是非お役立てください。

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【ヒヤリハット】橋梁の塗装剥離中、剥離剤による中毒と化学熱傷が発生

橋梁の塗装剥離作業中に発生した、有機溶剤中毒と重度の化学熱傷の事例です。*2

ヒヤリハット橋梁の塗装剥離中、剥離剤による中毒と化学熱傷が発生
原因・作業員が床に背中や腕をつける不適切な姿勢で作業をした
・剥離剤が浸透してしまう通常の作業着を着用していた(耐薬品性の欠如)
・途中から現場に入った作業員に対し、剥離剤の危険性に関する教育を行っていなかった
対策・作業標準を作成し、床に接触しない安全な作業姿勢を徹底する
・薬剤を通さない「不浸透性の保護衣・手袋・長靴」を必ず着用させる
・途中入場者を含めた「全作業員」に対し、作業前に必ず危険有害性教育を実施する

近隣対策のため密閉された吊り足場内にて、途中から合流した作業員2名が被災しました。低姿勢での作業中、床面に残留した剥離剤が作業着に浸透し皮膚が長時間接触したことで化学熱傷を負うとともに、揮発成分の吸入により意識混濁に陥りました。一歩間違えれば死亡事故に直結する、極めて危険な事態だったといえます。

本事例の教訓は、高性能な電動ファン付き呼吸用保護具を着用していても、身体を保護する「不浸透性の保護具」が欠落していれば防げないということです。また、途中入場者への危険有害性教育が形骸化していた管理体制の不備も致命的でした。「追加人員への教育不足」という死角が招いた、典型的な労働災害といえます。

※安全対策を浸透させる教育の進め方や、多くの工場で導入されている教育アプローチについて知りたい方は、以下の資料が参考になると思います。

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【ヒヤリハット】ステンレス部品の洗浄中、溶剤を吸入し中毒を発症

工場内で製造不良品のステンレス部品を再生するため、汚れ落とし作業を行っていた際に発生した有機溶剤中毒の事例です。*3

ヒヤリハットステンレス部品の洗浄中、溶剤を吸入し中毒を発症
原因・シンナーの有害性調査をせず、安易に洗浄剤として選択した
・換気設備がなく、防毒マスク等の保護具も着用させていなかった
・「有機溶剤作業主任者」を選任せず、正しい知識を持った指揮者が不在だった
対策・有害性の低い代替洗浄剤への変更を検討する(危険源の除去)
・作業標準書を作成し、リスクアセスメントに基づいた低減措置を行う
・有機溶剤作業主任者を必ず選任し、換気設備の点検や作業指揮を徹底させる

作業者は午前9時から午後4時までの長時間、シンナーを用いた部品の浸漬洗浄に従事していました。換気設備がなく、適切な呼吸用保護具も着用しない閉鎖環境であったため、高濃度の蒸気に曝露。作業直後に重篤な症状を呈し、「急性トルエン中毒」と診断されました。

本事故の主因は、溶剤の有害性を軽視し、義務であるリスクアセスメントを怠った点にあります。また、有機溶剤作業主任者による指揮監督が機能していれば、換気の徹底や保護具の選定・使用により、被災を未然に防げた可能性が高い事案です。

関連動画:現場のキケンを見極める『リスクアセスメント術』

【死亡事故】タンク内部の塗装中に溶剤蒸気が爆発、作業者が被災

造船業の現場で、体積わずか3立方メートルという極めて狭いフロートタンク(浮きタンク)内部にて塗装作業を行っていた際に発生した、爆発・死亡事故の事例です。*4

死亡事故フロートタンクの内部塗装中に爆発し飛ばされた
原因・狭い密閉空間でスプレー塗装を行い、爆発限界濃度に達してしまった
・火花が出る「防爆構造ではない」送風機をタンク内に持ち込んだ
・有機溶剤作業主任者が不在で、誤った作業方法を止める者がいなかった
対策・狭い場所ではスプレーを避け、刷毛やローラーでの手塗り作業を標準とする
・送風機は必ず「防爆構造」を使用し、ダクトを用いて外部から換気する
・作業前にリスクアセスメントを行い、点火源となる電気機器を排除する

タンク内という閉鎖空間でのスプレー塗装により、内部には引火性の高い有機溶剤蒸気が充満していました。そこへ非防爆構造の送風機を持ち込み、さらに改造されたスイッチ部から発生した電気火花が滞留した混合気体に引火。その結果、大規模な爆発事故に至りました。

本来現場を統括すべき「有機溶剤作業主任者」が不在で、リスクアセスメントも未実施という、安全管理体制の破綻が招いた重大災害です

※以下の資料では、危険作業における安全対策の新しい教育アプローチについて解説しています。

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【死亡事故】塩ビシートの剥離中、高濃度蒸気により急性中毒を発症

ビルのエレベーター内という狭い密閉空間で、塩ビシートの剥離作業中に作業員2名が死亡した痛ましい事例です。*5

死亡事故塩ビシート剥離作業中に急性有機溶剤中毒
原因・営業中への配慮から、エレベーターの扉を閉め切り換気扇も回さなかった
・防毒マスクの吸収缶が寿命切れ(破過)していた、または不適切なマスクを使用した
・2名とも中に入ってしまい、外から安全を確認する監視役がいなかった
対策・局所排気装置や送風機で強力に換気し、扉を開放した状態で作業する
・酸欠や高濃度環境では「送気マスク」を使用し、吸収缶の破過時間を厳格管理する
・必ず監視役を外に配置し、異常時に即座に対応できる体制をとる

営業中のビルへの配慮から、本来開放すべき扉を閉鎖して作業したことが致命的な要因となりました。換気計画がありながら実際には稼働させず、高濃度の剥離剤(ジクロロメタン等)が滞留する中で作業を続行。さらに1名は破過した防毒マスクを、もう1名は有効性のない防じんマスクを着用するという保護具の管理不備も重なりました

「換気不足・密閉・保護具不備」という不安全状態が連鎖すれば、短時間の曝露でも死に至ることを示す深刻な事例です。

※何度注意をしても不安全行動が繰り返されるような場合は、根本的な原因にアプローチする必要があります。対策について行動科学の観点で解説している資料「繰り返される不安全行動  行動科学から編み出す決定的防止網」もあわせてご覧ください。

【実務面】有機溶剤の事故を防ぐ3つの安全対策

ここでは現場管理者が明日から実践できる、有機則に基づいた具体的な実務対策を3つの視点から解説します。

局所排気・換気・密閉化による発散源対策

最優先すべきは、蒸気を現場に拡散させない「換気と密閉」です。有機則第5条では、屋内作業場において「密閉設備」「局所排気装置」「プッシュプル型換気装置」のいずれかの設置を義務付けています。

特にプッシュプル型は気流制御で効率的に排気できますが、設置して終わりではありません。第20条に基づき「1年以内ごとに1回」の定期自主検査を実施し、その結果を記録して3年間保存すること(第21条)が必須です。また、第19条の2では作業主任者による「1ヶ月ごとの点検」も求めています。

点検シートを用いて検査を標準化し、法的義務を履行する体制を整えましょう。

防毒マスク・保護具・健康診断による個人防護

設備対策に加え、作業者自身を守る保護具の着用と健康管理も必須です。有機則第33条等は、換気が不十分な場所やタンク内作業における「呼吸用保護具」の使用を義務付けています。

具体的には、マスクの吸収缶は溶剤の種類に適合したものを選び、破過時間を厳守してください。手袋や保護メガネも、溶剤が浸透しない耐薬品性の高い素材を選ぶ必要があります。

健康管理については、第29条により「6ヶ月以内ごとに1回」の特殊健康診断が義務付けられています。定期的に身体への影響をチェックし異常の早期発見に努め、企業の法的義務を果たしましょう。

安全対策の徹底と改善

安全管理の形骸化を防ぐには、教育の「標準化」が不可欠です。有機則第19条の2は、作業主任者に対し「作業方法の決定と直接指揮」を義務付けていますが、従来の口頭によるOJTは指導者の主観や経験則に依存し、教え漏れや解釈の不一致を誘発しやすいケースも見受けられます

特に有機溶剤はリスクが不可視であるため、経験の浅い作業者は危険性を過小評価し、手順を簡略化する傾向にあります。そこで、作業方法や判断基準を誰が見ても同じように理解できる形で明示することが重要になります

具体的には正しい作業手順だけでなく、換気のタイミングや保護具の着用理由、誤った行動を取った場合に想定されるリスクまでを含めて可視化・標準化することで、作業者一人ひとりの理解度に左右されない教育が可能になります。

こうした標準化された教育手法を継続的に運用することで、作業主任者の直接指揮の実効性が高まり、安全管理が「やっているつもり」に陥ることを防ぎ、現場全体の安全意識と行動の底上げにつながります。

従業員の安全意識に働きかける安全教育の手法については、本記事のほか下記のリンクから無料ダウンロード可能な資料でも詳しく解説しているため、併せてご覧ください。

>>ゼロ災達成に向けた「従業員の安全意識を向上させる安全教育」の進め方・事例をみる

有機溶剤を扱う現場で安全教育を定着させる仕組みづくり

有機溶剤の事故を防ぐには、設備だけでなく「人の行動」を変える教育の仕組みが不可欠です。ここでは「標準化」「技術伝承」「可視化」の3つの軸で、現場の安全文化を根付かせる具体的な方法を解説します。

  • 動画マニュアルで教育のばらつきを防ぐ(標準化)
  • 誰が教えても同じ教育内容にする(技術伝承)
  • ヒヤリハット・危険予知を共有する(可視化)

動画マニュアルで教育のばらつきを防ぐ(標準化)

有機溶剤作業の安全水準を均一化するには、動画マニュアルを用いた作業手順の「標準化」が極めて有効です。従来のテキストベースのマニュアルは読者の読解力や経験値によって解釈の齟齬が生じやすく、保護具の装着不備や換気工程の欠落といった「不安全行動」を誘発する一因となっていました。

具体的には、防毒マスクのフィットチェックや局所排気装置の点検・起動手順を映像で定義し、視覚的な正解を提示することが挙げられます。これにより、言語の壁がある外国人労働者や経験の浅い作業者であっても、安全な作業工程を正確に再現することが可能となります。知識を個人の能力に依存させず映像資産として共有することが、組織的な事故防止の鍵となります。

実際に、化学メーカーである児玉化学工業株式会社は手順を視覚化した教材を活用することで作業者ごとの理解差をなくし、標準化に成功しました。

▼動画マニュアルによる標準化の例▼

「正しいやり方」が全作業員に共有されれば、管理者が安全対策で頭を悩ます時間が減りますし、何より作業員の命が守られるので、視覚的にわかりやすい動画は極めて有効と言えるでしょう。

※本動画は、製造業の現場教育に特化した動画マニュアル作成ツール「tebiki現場教育」で作成されています。tebikiのサービス詳細や導入事例についてはサービス資料をご覧ください。

>>かんたん動画マニュアル作成ツール「tebiki現場教育サービス資料」を見てみる

誰が教えても同じ教育内容にする(技術伝承)

指導者間の教育格差を排除し、正確なノウハウを継承するには、教育の「技術伝承システム」の構築が不可欠です。現場における指導内容の不一致は作業者の混乱を招き、特に有機溶剤の危険性判断が個人の主観に依存した場合、安全基準の形骸化から致命的な事故を引き起こすリスクがあります。

この課題を解決するには、熟練工が持つ「有機溶剤の異臭への感度」や「換気設備の異常音の検知」といった暗黙知を映像化し、形式知として定義することが有効です。これらを教材化し、現場で即座に参照できる体制を整えることで、指導者の有無に関わらず、作業者は常に客観的な正解に基づいた判断が可能になります。

例えば、明和工業株式会社では作業場にディスプレイを設置し、QRコードで即座に動画マニュアルを呼び出せる仕組みを設けており、誰でも迷わず標準作業を実行できる環境を整えています。

明和工業株式会社の作業場にディスプレイを設置し、QRコードで即座に動画マニュアルを呼び出せる仕組み

※同社が活用している動画マニュアル作成ツールの詳細はこちら

ヒヤリハット・危険予知を共有する(可視化)

有機溶剤のリスクは目視しづらく、テキストの報告書を読むだけでは「自分事」として捉えにくいという課題があります。

対策として、自社で発生したヒヤリハット事例や有機則違反になりかけた状況を再現した短い動画を作成し、共有する方法が有効です。「どの瞬間に引火の危険があったか」「なぜ中毒症状が出たのか」を映像で見せることで、作業者の危険感受性は格段に向上します。

例えば、株式会社近鉄コスモスが行っている安全教育では、「正しい操作」と「禁止行為」を動画で対比し、誰でも瞬時に理解できる教材として活用しています。

「正しい開梱」動画は、刃物の向き、段ボールの固定位置、手の位置、安全距離といった細かい動作を視覚的に示します。

一方、「誤った開梱」動画では、不安定な持ち方や刃物の危険な扱いなど、現場で起こりやすい不安全動作をそのまま映像化しています。

2つの動画の対比により「なぜ危険なのか」が視覚的に理解できるのが動画マニュアルの強みです。

※本動画は、製造業の現場教育に特化した動画マニュアル作成ツール「tebiki現場教育」で作成されています。tebikiのサービス詳細や導入事例についてはサービス資料をご覧ください。

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有機溶剤の安全対策には動画によるマニュアルが便利

前節でも述べた通り、有機溶剤の安全対策には、視覚的に直感で伝わる動画マニュアルの活用が極めて有効です。

特に、動画マニュアル作成ツール「tebiki現場教育」なら、スマホで普段の作業を撮影するだけで簡単に動画マニュアル化できます。

AIが既存の手順書から作業方法を動画に落とし込むかの素案を作成したり、字幕や図形を自動追加したりするため、編集の手間もかかりません。

さらに、100ヶ国語以上に自動翻訳でき、外国人スタッフへの安全教育もスムーズに行えます。YouTubeといった動画プラットフォームとは異なり、誰がいつ見たかという教育進捗の自動見える化や部署ごとの細かい権限設定も可能です。

他にも、以下の機能を活用することで安全教育のPDCAサイクルをスムーズに進行可能です。

タスク機能複数の動画を組み合わせた学習コースを作成し、対象者ごとに割り当てが可能です。
レポート・テスト機能誰が視聴したかをレポートで把握し、内容を理解できたかをテストで測定できます。
スキルマップ機能個人やチームごとの学習進捗を可視化し、誰に何の教育が不足しているかを一目で把握できます。
自動翻訳機能1つの動画から多言語の字幕を自動生成・音声読み上げが可能。言語の壁なく安全教育を徹底し、チーム全体の安全レベルを均一化します。

現場の負担を最小限にしながら正しい教育を行うには、「tebiki現場教育」の導入がおすすめといえます。

tebiki現場教育のサービス詳細や導入事例については、以下の資料をご覧ください。

>>かんたん動画マニュアル作成ツール「tebiki現場教育サービス資料」を見てみる

動画を活用した教育で安全対策を行っている企業事例

実際に動画マニュアルを活用し、労働災害の防止や安全教育の効率化に成功した以下の2社の事例を紹介します。

  • コスモ石油|労災周知・新人教育を動画化し安全行動が定着
  • ASKUL LOGIST|KYTに動画を使い臨場感のある教育を実現

現場のリアルな課題をどう解決し、安全文化を定着させたのか、その具体的な取り組みを見ていきましょう。

>>安全意識が高い製造現場はやっている! 動画を活用した安全教育・対策事例をもっとみる(無料公開中)

コスモ石油|労災周知・新人教育を動画化し安全行動が定着

石油精製・販売の大手であるコスモ石油堺製油は、「安全第一」を最優先に掲げつつも、ベテランの減少と若手の増加に伴う教育課題に直面していました。複雑なプラント設備の操作や危険予知教育が、テキストだけのマニュアルでは伝わりづらく、OJTの負担も増大していたと言います。

課題tebiki現場教育導入後の効果
・テキストのみでは複雑な手順や危険性が伝わりづらかった
・OJTに頼らざるを得ず、指導者の負担が限界に達していた
・新人や中途採用者の増加で、マニュアル作成の手間が膨大だった
・視覚的に直感で理解でき、教育の質と効率が向上した
・労災事例を再現動画で周知し、現場の安全意識が劇的に改善
・紙の印刷や持ち込みが不要になり、教育コストと手間が激減した

そこで動画マニュアル「tebik現場教育」を導入し、紙では表現できない「動き」や「現場の臨場感」を可視化特に、協力会社も含めた労働災害事例の共有に再現動画を活用することで、作業員の危険感受性が飛躍的に向上しました。また、スマホでいつでも確認できる環境が整い、教育担当者の負担軽減と属人化の解消を同時に実現しています。

同社が導入した動画マニュアルの詳細については、以下の事例で詳しく紹介しています。

>>同社が導入した動画マニュアル「tebiki現場教育」の詳細はこちら

ASKUL LOGIST|KYTに動画を使い臨場感のある教育を実現

EC物流大手のASKUL LOGIST株式会社は、外国人スタッフ、短時間勤務者、障がい者など多彩な人材が働く現場での「標準化」と「安全教育」に課題を抱えていました。分厚い紙のマニュアルやOJTでは、教える人によって内容にバラつきが生じ、特に言語の壁がある外国人スタッフへの安全教育が十分に伝わらないという悩みがありました。

課題tebiki現場教育導入後の効果
・OJTや紙マニュアルでは教える人によってバラつきがあった
・言語の壁がある外国人スタッフへの安全教育が伝わりにくかった
・導入時教育や繰り返し教育に膨大な工数がかかっていた
・教育内容が均質化され、誰でも同じ標準作業を習得できるようになった
・自動翻訳付き動画で、外国人スタッフの理解度と定着度が向上した
・導入時教育の時間が1回2時間から30分へ短縮され、管理者の負担が激減した

そこで、同社は自動翻訳機能を備えた動画マニュアル「tebiki現場教育」を導入します。その後、母国語字幕付きの動画で教育することで、外国人スタッフの理解度が飛躍的に向上しました。また、ヒヤリハット事例やKYT(危険予知トレーニング)に動画を取り入れることで、静止画では伝わりにくい現場の臨場感を再現。「何が危険か」が視覚で伝わるようになり、活発な意見交換が生まれるなど、実効性の高い安全教育を実現しています

同社が導入した動画マニュアルの詳細については、以下の事例で詳しく紹介しています。

>>同社が導入した動画マニュアル「tebiki現場教育」の詳細はこちら

【結論】有機溶剤の安全対策は教育の改善から

有機溶剤による悲惨な事故を未然に防ぐには、法令に基づく「設備対策」や「保護具の着用」といったハード面の整備が前提となります。しかし、それだけでは不十分です。最終的に作業者の命を守るのは、現場に立つ一人ひとりの正しい知識と安全意識だからです。

そこで動画を活用すれば、属人化しやすいOJTや形骸化した紙のマニュアルから抜け出し、「安全な作業標準」を可視化・定着させられます。

「tebiki現場教育」のようなツールで教育のバラつきをなくし、誰もが同じ水準で安全行動をとれる仕組みを構築することが、管理者には求められていると言えるでしょう。

引用元/参照元

*1:e-GOV「有機溶剤中毒予防規則」
*2:厚生労働省 職場あんぜんサイト「橋梁塗装の剥離作業中に有機溶剤中毒および化学熱傷」
*3:厚生労働省 職場あんぜんサイト「ステンレス部品の汚れ落とし作業中に有機溶剤中毒」
*4:厚生労働省 職場あんぜんサイト「フロートタンクの内部塗装中に爆発し飛ばされ死亡」
*5:厚生労働省 職場あんぜんサイト「エレベーター内装の塩ビシート剥離作業中に急性有機溶剤中毒となり死亡」

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