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動画での標準作業、見える化での実績分析。
両輪で回す現場改善のサイクルとは

株式会社リケンNPRプレシジョン

  • 業種 : 機械製造
  • 従業員数 : 101-500名

お話を伺った方:佐野様:代表取締役社長
小林様:福島工場 製造二課 技師 兼 第二係 係長
斎藤様:福島工場 製造二課 第二係 班長 (動画内)

  • 課題

    • 記録を可視化するまでのスキルや時間が不足していた
    • 監督者が帳票を確認しにいく手間も発生していた
    • 異常の発見がしづらく、対策のタイミングが遅れていた
  • 効果

    • 記録入力と同時に可視化でき、10時間/週以上の工数削減につながった
    • リアルタイムのグラフで濃度管理が改善し平均15万円/月削減につながった
    • 現場のカンコツがズレていることを発見でき、正しい標準化ができた

高品質・高性能なエンジン部品メーカー

貴社の事業内容を教えてください

佐野様:当社は1934年に創業し、主に自動車のエンジン部品を製造しています。福島工場では特に鋳造部品であるシリンダライナと、焼結製品のバルブシートの製造を行っています。

シリンダライナは鉄屑などを溶かし砂型に鋳込む「砂型鋳造」という工法を使い生産しています。製造した粗材を加工し完成形状にした後、表面処理等を行い製品を完成させます。 鋳鉄製品としては非常に大きなものを肉薄に加工するため高い加工精度が要求される製品です。

バルブシートは原材料となる粉を配合・混合し、成形機にて圧縮成形し形を作ります。そのままでは粉を押し固めただけで壊れやすいため、固めた材料を焼結炉へ投入し粉同士を結合させる「焼結」という処理を行います。その後、お客様の指定寸法に合わせて加工し、検査を行いお客様へと出荷しています。

今回デジタル化した現場帳票について教えてください

佐野様:tebiki現場分析を用いて、主に3種類の帳票のデジタル化に取り組んでいます。一つ目は「出来高管理」で、これはいわゆる生産実績で、各工程で日々記録し、最終的にその日の予実の差異を確認したりするために記録している帳票です。二つ目は「品質記録」です。製品の検査時に寸法や材料特性などを記録する帳票ですね。最後に「製造条件記録」で、切削液の濃度や投入量の管理など、重要管理項目の帳票になります。現状はこれらの品質や実績に関わる帳票からデジタル化にトライしています。

異常把握の遅れから、生きたデータ活用ができていない課題感

tebiki現場分析の導入のきっかけを教えてください

佐野様:もともと、2022年の7月から動画マニュアルの「tebiki現場教育」を導入していました。紙の手順書が整備できておらず、またOJTも属人化してしまっていたため、「かんたんに使える」ということで導入しました。動画マニュアルでは、新人教育や段取り作業に活用するため、作業手順やKYTなどを動画化し、標準化を推し進めておりました。

ただ、作業標準は進みましたが、次は「生きたデータ活用ができていない」という課題が見えてきました。例えば、冷却するためのクーラント水の濃度管理において、毎日の定時チェックで測定値を記録していたものの、その数値が徐々に管理範囲から逸脱していることに気付くのが遅れていました。数値にして前月比で1.4倍程度まで上がり、これは後工程でべたつきなど影響が出る部分で、大きな異常であったにもかかわらず、迅速な対応ができていない状況でした。

数値管理も普段紙で記録しているとパッと見れず、ただデータを転記するための工数や、グラフ化するための力量も必要で中々取り組めておらず、なんとかしたいと思ったのがきっかけです。

リアルタイムデータでコストカットに加え、作業標準自体の見直しにも

導入後の具体的な変化を教えてください

小林様:作業者がtebiki現場分析でデータを記録してくれるだけで、グラフがリアルタイムに更新されるので、管理者としては一目で変化が見えるようになりました。今までだと監督者が掲示されている帳票のところまで状況を見に行って、デスクに戻るまでの時間というものもかかっていましたが、こういった時間は大きく短縮されましたね。

また、ノーコードで帳票やダッシュボードを手軽に作ることができるため、今まで取り組めていなかった色々な視点での分析ができるようになりました。

例えば、リアルタイムなデータ可視化により、コスト削減を実現しました。
具体的には、先ほどあったクーラント液ですが、濃度測定と投入量の記録を1日2回行っている記録を、「tebiki現場分析」でデジタル化し、入力必須項目とすることで、記録漏れを仕組みで防止できるようになりました。
さらに、記録データがリアルタイムにグラフ化され、切削液の濃度の推移が明確になりました。この結果、慣例的な濃度投入を見直し、適切なタイミングで濃度管理を行うことで、月平均15万円、前期比で約20%のコスト削減を実現しています。

また他に、停止要因の真因を発見できた事例もあります。
生産実績帳票では生産計画数と実績数に加え、停止時間と停止理由を記録して、予実差異分析に役立てています。この”停止理由”の集計結果をグラフで可視化した結果、設備のトラブルで停止というよりも、作業者の作業効率に起因する停止が多いことが明確になりました。この停止時間は概ね、次の製造の準備にかかる「段取り」のための停止時間にあたるのですが、この停止時間のバラつきが、人によって差があることがわかりました。停止時間がかかってしまっている人に対しては、標準化のための教育を行い、効率的に設備が稼働するように、といった対策ができるようになりました。
こういったデータがリアルタイムに、またグラフを作成する手間もなくパッと見れるのは非常にありがたいですね。

佐野様:最近では、現場の”カンコツ”にズレがあるということも発見できました。
具体的には、加工工程のベテラン作業者さんが「後工程で縮むからプラス目を狙うべき」というカンコツを持っていました。ただ、取ったデータで確認してみると、実際は寸法の狙い目通りに狙った方が安定するという結果が出てきたんですね。カンコツはもちろん大事ですが、実際どうなのか?という点において、定量的なデータから見ることも大事だなという事例です。ベテランさんは経験を否定されることに抵抗を感じやすく、周囲も指摘しづらいものです。 そこでデータを基準に事実で伝える工夫をしたところ、本人も納得して狙い目を修正してくれました。現場の標準を見直し、正しい標準へ更新できた瞬間でしたね。

現場の方の反応はどうでしたか?

小林様:今まで紙で管理していたこともあって、作業者の中で拒否反応みたいなのがでるかな、と思ったのですが、入力画面もそうですし、グラフもシンプルで扱いやすいのですぐ定着しました。 また、作業者の意識というものも変わったなと感じております。 計画対比がグラフで明示されていることにより、意識の変化も生まれたのかなぁと考えております。今までよりも時間当たり生産数というのを意識して、作業していただけるようになったのかなと感じています。

面白みを持って取り組みをどんどん拡大していきたい

今後の展望を教えてください

小林様:まだまだスタート地点かなというところです。現在帳票をデジタル化している工程の使用状況を見ても、スムーズに作業ができていると感じられますので、他の帳票類についても、スピード感を持って電子化を進めて、さらに効率よく作業ができる現場づくりをしていきたいなと考えております。

佐野様:さらに広めていくためには、現場の監督者の推進力というのが必要になってくるかな、というふうに思っています。 現場の監督者がデジタル化に面白みを持って取り組み、便利さを現場の作業者に感じてもらえるか、というのが大事になってくるかと思っています。

動画マニュアルのtebiki現場教育で現場の作業の標準化をしつつ、果たして実際の数値はどうだろうか?という数値分析はtebiki現場分析で行う。この両輪での現場改善のサイクルを回して、さらに現場改善を進めていければと思っています。

「日本ピストンリング株式会社」は2026年04月01日より社名を「株式会社リケン NPR プレシジョン」に変更いたしました。