現場改善ラボ 記事一覧 お役立ち情報 溶接スパッタの原因と対策!品質不良・後処理の工数ロスを減らす方法とは

工場向け安全対策の動画マニュアル「tebiki現場教育」を展開する、現場改善ラボ編集部です。

溶接において、多くの作業者を悩ませるのが溶融金属の飛散物である「スパッタ」の問題です。スパッタは製品の外観を損なうだけでなく、後工程での除去作業に膨大な時間を要し、生産性を著しく低下させる要因となります。特に若手や外国人労働者の増加により、ベテランの「勘やコツ」に頼った対策では品質のバラつきを抑えきれないのが実情ではないでしょうか。

そこで本記事では、実際に工場の勤務経験がある筆者の観点も踏まえ、スパッタが発生する原因から、現場ですぐに実践できる付着防止・除去のコツを解説します。さらに、個人の技術に依存せず、現場全体で品質を安定させるための「標準化」の仕組みづくりについても詳しく紹介します。

こうした「標準化」を進めるうえで欠かせないのが作業手順書の作成ですが、溶接のスパッタ対策のようなベテランのカンコツは言語化が難しく、せっかく作っても現場で使われないマニュアルになってしまうケースが少なくありません。 資料「【作業手順書・指示書テンプレート付き】カンコツが伝わる! 現場で使われる作業手順書のポイント」では、伝えにくい技術をわかりやすく形式知化し、現場で確実に運用される手順書を作成するためのコツがまとめられているので、本記事の解説とあわせて参考にしてみてください。

>>【作業手順書・指示書テンプレート付き】カンコツが伝わる! 現場で使われる作業手順書のポイントを見てみる

溶接スパッタとは?現場で起きている実害を整理する

溶接スパッタとは、JISの規格上「スパッタ」と呼ばれ*1溶接中に飛散する金属粒のことを指します。放置すると品質不良や除去工数の増大、安全リスクという3つの実害を招きます。

問題なのは、スパッタの対策がベテランの感覚に依存しがちな点です。若手では被害を防ぎきれず、トラブルが頻発してしまいます。「またスパッタか…」と悩む現場の負担を減らすには、誰でも対策を再現できる標準化が必要です。

スパッタが引き起こす3つの現場トラブル

スパッタは、品質、生産性、安全面の3つに深刻なトラブルをもたらします。

第一に、外観クレームに直結する品質不良が挙げられるでしょう。スパッタが付着したまま塗装を行うと、塗膜の厚さが不均一になります。時間の経過とともに凹凸部から塗膜の剥がれやサビが発生する危険を伴うためです。結果として、製品の信頼を大きく損ないかねません。

第二に、タクトタイムを圧迫する後処理工数の増大です。グラインダーを用いた手作業による除去は、現場の大きな負担になります。削りすぎによる母材の損傷に気を使い、次工程に遅れが出た経験がある方も多いと思います。砥石などの消耗品にかかるコストの増加も無視できません。

第三に、飛散物による火災ややけどといった重大な安全面でのリスクです。発生直後のスパッタは鉄の融点(約1500℃)以上の高温状態に達し、極めて危険な状態と言えます。

スパッタが引き起こた死亡事例

厚生労働省の労働災害事例*2では、凄惨な死亡事故が報告されました。リチウムイオン電池の部材製造設備を解体する際、プラズマ溶断中に起きた悲劇です。

原因結果
・溶接条件の不適切な設定
・高温スパッタの製品への付着
・スパッタの除去作業が発生
・引火性液体付近での溶接作業
・金属粒が飛散しスパッタ発生
・塗装剥がれなどの外観不良
・タクトタイム圧迫と工数増
・爆発や火災などの重大な労災

爆風によって作業者は約3.2メートルも飛ばされ、命を落としています。原因は、処理槽内に滞留していたメチルエチルケトンという引火性液体でした。溶断によるスパッタ等の熱が着火源となり、大爆発を引き起こした形になります。引火の危険性が事前に発注者から伝達されず、作業指揮者も全く把握していませんでした。さらに、事前のリスクアセスメントも不十分だったことが指摘されています。

作業服の隙間に飛び込むやけど被害だけでなく、工場全体を巻き込む大惨事になりかねません。個人の技術力だけに頼っていては、こうした事態を防ぐのは極めて困難です。若手や外国人労働者でも安全を保てる、仕組み化された対策が必須と言えるでしょう。

こうした「仕組み化された安全対策」として非常に有効なのが、言語や経験の壁を越えて直感的に危険性を伝えられる「動画マニュアル」の活用です。 特に経験の浅い若手や外国人労働者にとって、文字や口頭だけの指導では、現場に潜む重大なリスクや「なぜそのルールが必要なのか」を正確に理解することは困難です。実際の作業映像を通じて「何が危険なのか」「どうすれば命を守れるのか」を視覚的に共有することで、個人のスキルに依存しない確実な安全教育体制を築くことができます。

資料「安全意識が高い製造現場はやっている! 動画マニュアルを活用した安全教育・対策事例」では、動画を用いて安全教育を仕組み化し、取り返しのつかない重大事故を防ぐための具体的な対策事例がまとめられているので、あわせて参考にしてみてください。

>>安全意識が高い製造現場はやっている! 動画マニュアルを活用した安全教育・対策事例を見てみる

溶接スパッタが発生する原因を理解する

スパッタは電流・電圧の設定以外に、母材の表面状態や材料の選定ミスも発生の原因となります。ここでは具体的にスパッタが発生する原因として次の2点を解説します。

  • 溶接条件(電流・電圧・速度)によるスパッタへの影響
  • 母材・ワイヤー・シールドガスの状態がスパッタに与える影響

溶接条件(電流・電圧・速度)によるスパッタへの影響

スパッタの発生量は、電流・電圧・溶接速度の3条件が適正範囲を外れると急増します。電流・電圧はいずれも、高すぎても低すぎても溶融状態に悪影響を与えます。

電流が過剰になると、ワイヤーが激しく溶融して金属飛散が急増するのが実情です。一方で、電圧が低すぎるとアーク長が短くなり、ワイヤーが溶融池に触れて短絡(ショート)が繰り返されます。短絡(ショート)のたびに大電流が流れてワイヤーが溶断。これがスパッタ飛散の原因です。

日本溶接協会によると、電流・電圧が適正範囲を外れるとスパッタが著しく増加するとされています。速度が速すぎると溶融池が不安定になり、品質のバラつきも広がります。

3つの条件は相互に影響し合うため、1つの条件だけ見直しても効果は限定的と言えるでしょう。3つの条件はバランスが極めて大事なので、作業員の「いつもの感覚での条件管理」を続ける限り、後工程の手直しは減りません。電流・電圧・速度を数値で管理・標準化することが、スパッタを減らすには必須です。

このように、個人の感覚に頼っていた作業を数値化して標準を定めることは品質安定の第一歩です。しかし、せっかく最適な条件を見つけ出して「作業手順書」にまとめようとしても、文字だけでは微細な調整の感覚がうまく伝わらず、結局現場で読まれない・使われないマニュアルになってしまうケースは少なくありません。

数値化されたルールやベテランのコツを誰にでも分かりやすく伝え、現場で確実に運用される「生きた手順書」を作るための仕組みづくりが重要です。 資料「【作業手順書・指示書テンプレート付き】カンコツが伝わる! 現場で使われる作業手順書のポイント」では、伝えにくい技術や条件を適切に形式知化し、実用的な手順書を作成するためのノウハウがテンプレート付きでまとめられているので、あわせて参考にしてみてください。

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母材・ワイヤー・シールドガスの状態がスパッタに与える影響

溶接条件を整えたとしても、事前の材料管理が甘ければスパッタは防げません。母材の汚れや材料の不良が、アークを乱してしまうからです。*4現場の事実として、母材の錆や油分は見逃せない原因と言えるでしょう。

また、超高温に触れると急激に気化・膨張し、溶融金属を激しく吹き飛ばす要因になります。大気の侵入を防げないシールドガスの流量不足も、溶融池を不安定にさせる要因です。電流や電圧を疑う前に、清掃と正しい材料選定を現場の標準化のルールに組み込みましょう。

溶接スパッタの付着を防ぐ対策方法

スパッタ対策は、発生そのものを抑える工夫と製品への付着を防ぐ保護の2軸で進めることが重要です。ここでは具体的な対策として、次の2点を解説します。

  • スパッタ付着防止剤の種類と正しい使い方
  • 養生・保護による飛散スパッタへの対処

スパッタ付着防止剤の種類と正しい使い方

防止剤の効果を引き出すには、種類選びと正しい塗り方の標準化が必要です。なんとなく感覚で使っていると、溶接欠陥や塗装不良といった新たなトラブルを招くからです。まず、用途に合わせた防止剤の使い分けを現場のルールとして浸透させましょう。トーチのノズルやチップ周辺にはスプレー型、母材の広範囲には塗布型が適しています。後工程で塗装を控えている場合は、脱脂洗浄がしやすい水溶性が適していると言えるでしょう。

次に、塗布のタイミングと場所を明確な作業手順として定めます。溶接作業を行う直前に、スパッタが飛び散りやすい母材の周囲へ薄く均一に塗布してください。ここで最も注意すべきは、開先などの溶接部への直接塗布は絶対に避けるというルールです。防止剤が開先に混入したり、厚塗りで液ダレしたりすると、ブローホールを引き起こしかねません。

作業手順が明確でない現場では、薄膜を作る工程を動画化するなど、ベテランの感覚を教材化しましょう。塗布の量や場所といった暗黙知を手順化し、若手でも外国人労働者でも正しく使える現場を作り上げてください。

このように、言葉で表現しにくい「薄く均一に塗る」といった感覚的な作業を動画で可視化することは、現場経験の浅い新人や、言葉の壁がある外国人労働者に対する教育として非常に有効です。 文字や口頭だけの指導では、教える側の表現や受け取る側の解釈によってばらつきが生じ、「正しく伝わらない」ことによる塗布ミスや欠陥が起こりがちです。

そこで有効なのが、実際の作業映像を用いた「動画マニュアル」の活用です。言葉だけでは伝わりにくいニュアンスをそのまま共有し、外国人労働者や新人にも直感的に理解させることができます。

▼動画マニュアル活用例(音量にご注意ください)▼

※「tebiki」で作成されています

このように動画マニュアルであれば、教える人による指導のばらつきをなくし、正しい量や手順を経験や国籍に関わらず即座に定着させることが可能です。
資料「外国人労働者に「伝わらない」を解決した動画マニュアル活用事例集」では、言葉の壁がある外国人労働者はもちろん、現場配属直後の新人教育にも直結する「動画を用いたわかりやすい教育体制」の構築事例がまとめられているので、あわせて参考にしてみてください。

>>外国人労働者に「伝わらない」を解決した動画マニュアル活用事例集を見てみる

養生・保護による飛散スパッタへの対処

スパッタから製品を守るには、テープ・カバー・遮蔽板などの養生による保護が有効と言えます。防止剤だけでは防ぎきれない広範囲の飛散や隣接設備への付着を防ぐためです。

具体的な実践方法として、耐熱性のスパッタシートや防炎カバーを活用しましょう。付着させたくない製品の上から被せるだけで、直接的な被害を防げます。細かい部分には、耐熱アルミテープなどを貼る工夫も有効です。
さらに、作業エリアの周囲に遮蔽板を立てれば、他のラインへの飛散も防止できるでしょう。養生の準備は手間に感じるかもしれませんが、後処理の工数を考えればはるかに効率的です。若手作業員にも養生の手順を標準化して伝えてください。

溶接スパッタ対策を現場に定着させるための仕組みづくり

スパッタ対策は、現場全体に定着させなければ不良を減らせません。口頭や紙の手順書では、正しいトーチの角度や塗布量といった感覚が伝わりきらないからです。間違いなく誰でも再現できる標準化の仕組みづくりが必要です。ここでは仕組みづくりのための方法や事例について次の順に解説します。

  • ベテランの暗黙知を標準化し、誰でも再現できる手順をつくる
  • 現場教育に対策手順を組み込み、品質と生産性のばらつきをなくす

ベテランの暗黙知を標準化し、誰でも再現できる手順をつくる

スパッタ対策を属人化させないためには、ベテランの暗黙知を映像で標準化することが効果的と言えます。紙や写真だけの手順書では、細かな手元の動きや力加減を正確に伝えるのが困難だからです。「背中を見て覚えろ」という従来の教育方針では、若手や外国人作業員に正しい手順は伝わらないでしょう。

自動車部品メーカーであるフジオーゼックス株式会社の事例では、紙の手順書とOJTに頼る限界が浮き彫りでした。細かなニュアンスが伝わらず、品質のバラつきや指導工数の増大が現場の大きな負担となっていたからです。そこで作業手順を動画化し、紙の標準書に二次元コードを貼付して現場で読み込める運用へ切り替えました。映像で直感的に理解できるため、若手の習得スピードが向上し、対面指導の時間を大幅に削減しています。現場の負担を減らしつつ、厳格な品質基準を守る仕組みを実現しました。

課題導入後
・OJT依存で教育工数が大
・紙の手順書は理解しづらい
・改訂が煩雑で精査できない
・指導のばらつきと品質低下
・対面教育の時間を大幅に削減
・動画と紐づけ直感的に理解
・二次元コードで文書管理改善
・習得スピードと品質が向上

溶接の現場に応用してみると、防止剤を塗る際の「薄膜を作るイメージ」などを映像で記録します。さらに、アークを安定させるためのトーチの角度調整もそのまま映像で残せるでしょう。言葉では表現しづらいカンやコツも、動画マニュアルであれば正確に共有できます。

動画マニュアルを利用すれば、言葉の壁がある外国人作業員に対しても、視覚的に正しい作業手順を示すことが可能です。

映像を通して学ぶ環境を整備し、若手でもベテランと同じ対策を迷わず再現できる状態を作り上げましょう。

しかし、いざ現場で動画マニュアルを導入しようとしても、「撮影や編集のスキルがない」「作成に手間がかかりそう」とハードルを感じる方も多いのではないでしょうか。 そのような現場の課題を解決し、スマートフォン一つで誰でも直感的に動画マニュアルを作成し、教育の仕組みとして運用できるのが「tebiki」です。 資料「かんたん動画マニュアル作成ツール「tebiki現場教育サービス資料」」では、ベテランの暗黙知を簡単に形式知化し、現場の教育体制を効率化するための具体的な機能やサポート体制がまとめられているので、あわせて参考にしてみてください。

>>かんたん動画マニュアル作成ツール「tebiki現場教育サービス資料」を見てみる

現場教育に対策手順を組み込み、品質と生産性のばらつきをなくす

標準化した手順を日々の現場教育に組み込むことで、品質と生産性のばらつきを減らす効果が期待できます。指導者によって教え方が異なると若手が混乱し、正しい手順の定着を妨げる大きな原因になるためです。

鉄鋼加工を行うMSSステンレスセンター株式会社*6では、指導者による教え方のバラつきが深刻な課題でした。人によって作業指示が異なるため、教わる若手や外国人作業員が強いストレスを感じていたからです。動画マニュアルを導入した結果、誰が見ても同じ理解ができる共通の教育手順が現場に完成しました。タブレットを各ラインに置き、若手が自分のペースで手順を繰り返し確認する学習習慣も定着しています。便利な自動翻訳機能も活用し、国籍や経験に関わらず誰もが正しい手順を再現できる環境を作りました。

課題導入後
・手順書の改訂に手間がかかる
・指導者によって内容が異なる
・教わる若手社員のストレス
・手順書の定期確認がされない
・未経験でも動画作成が簡単
・教育のバラつきが完全解消
・タブレットで反復学習が定着
・自動翻訳で外国人も理解可能

スパッタ対策においても、動画マニュアルによる仕組み化が非常に効果的です。例えば、作業前にスパッタ付着防止剤の正しい塗り方を動画で復習させれば、厚塗りによる溶接不良を未然に防げるでしょう。先輩がつきっきりで教えるOJTの時間を大幅に削減できる点も、現場にとって大きなメリットになります。動画マニュアルによる教育体制を構築し、誰が作業しても同じ品質を保てる現場を作り上げましょう。

MSSステンレスセンター株式会社の事例のように、動画マニュアルは製造現場が抱える「教育のバラつき」や「OJTの負担」を解決し、品質と生産性を底上げするための強力なツールとなります。 資料「製造業における動画マニュアル活用事例集」では、同社をはじめとする多くの製造現場が、どのように動画を活用して教育体制を仕組み化し、課題を解決したのか、具体的な実践事例が多数まとめられているので、あわせて参考にしてみてください。

>>製造業における動画マニュアル活用事例集を見てみる

視覚的な作業標準化で品質安定を目指す企業事例

溶接スパッタによる外観不良や後処理の工数増大を防ぐためには、電流・電圧の条件設定や防止剤の塗り方など、作業者ごとの手順のバラつきや感覚頼みの自己判断をなくす仕組みが重要です。しかし、トーチの角度や薄膜を作るような細かなコツは言葉や文字だけでは伝わりにくく、それが品質不良を繰り返す原因となっています。

ここでは、言葉では伝わりにくい現場の作業手順を「映像」で視覚的に標準化し、国籍や経験に関わらず誰でも同じ基準で作業できる環境を整え、品質の安定化・向上に成功している企業の事例をご紹介します。

児玉化学工業株式会社:手順の可視化でルールの浸透を図り、品質向上を推進

児玉化学工業株式会社は、作業手順を映像で可視化することで、誰もがルールや手順を守れる現場環境の構築に取り組んでいます。

同社では、以前から暗黙の了解や教育者によって言うことが違うことにより、日勤と夜勤で作業の理解が異なったり、「実際に製品不良が発生して、まさに伝わっていないことが結果として判明した」といった課題を抱えていました。従来の紙や写真のマニュアルでは、人の動きや作業のコツを伝えきることに限界を感じていたと言います。

参考として、同社が作成した動画マニュアルのサンプルを以下に掲載します。文書や写真では伝えきれなかった現場のコツや人の動きを視覚的に伝えています。

▼バリ取りの作業手順を解説する動画マニュアル▼

tebikiで作成

このように動画を用いて正しい手順や「なぜダメか」を視覚的に伝えることで、日本人・外国人作業者を問わずルールの浸透を図っています。現在は、製造現場の作業手順に加えて異常処置や安全指導にも活用を広げており、こうした標準化の取り組みを通じて、会社全体で製品品質向上を推し進めています

同社が活用している動画マニュアル「tebiki現場教育」の詳細な機能や事例については、以下のサービス資料をご覧ください。

>>かんたん動画マニュアル作成ツール「tebiki現場教育サービス資料」をみてみる

株式会社テック長沢:正しい動作を視覚化して指導のバラツキをなくし、品質向上を推進

株式会社テック長沢は、作業手順を映像で可視化し、正しい動作をいつでも確認できる現場環境の構築に取り組んでいます。

同社は自動車やエネルギー関連などの部品製造を行っていますが、以前は写真と文字の文書マニュアルを使用しており、実際の動作が上手に伝わらず指導に苦戦していました。また、文書マニュアルでは作業の根拠まで網羅されておらず、指導者によって教える内容に濃淡が発生し、教育の成果にバラツキが生じていました。さらに、受講者が一度学んだ後でも、時間が経つと「オリジナルの動作」に変わってしまう課題も抱えていましたが、映像の導入によりこれを解消しています。

現場にタブレットを設置し、QRコードを読み取るだけで目的の手順がすぐに開く仕組みを整えました。これにより指導のポイントが統一されて教育の質が一定になったほか、作業者が不安に思った時にすぐ確認できるため、オリジナルの動作に変わってしまうことが減りました。また、映像を通して動作を客観的に見ることができるようになり、正しい動作がいつでも見られる環境が整ったことで、指導する側・受ける側共に精神的な負担が減り、品質や生産性の向上につながっています。

このように、時間が経つにつれて作業手順が「オリジナルの動作(我流)」に変わってしまうことは、製造現場における品質不良を引き起こす大きな原因となります。株式会社テック長沢のように、正しい手順を動画で可視化し、いつでも確認・修正できる仕組みを作ることは、作業のバラツキをなくし、不良の再発を防ぐための極めて有効なアプローチです。

資料「製造業の品質不良を再発防止する動画マニュアル活用法」では、品質不良が繰り返される根本的な原因を紐解き、動画を活用して現場の作業を標準化し、不良ゼロを実現するための具体的なノウハウを解説しています。自社の品質管理体制をさらに強化するヒントとして、ぜひお役立てください。

>>製造業の品質不良を再発防止する動画マニュアル活用法を見てみる

ヒロセ電機株式会社:視覚的な標準化で拠点間の品質基準を統一し、手戻りを削減

ヒロセ電機株式会社は、多国籍な現場において作業手順を映像で視覚化し、グローバルで同じ品質基準を共有できる仕組みを構築しています。

同社はコネクタ電子部品の製造を行っており、マレーシアやインドネシアなどの海外拠点でも生産を担っています。しかし、多国籍なチームでは「言葉の壁」があり、英語のみの紙のSOP(標準作業手順書)では細かい動きや「なぜOK・NGなのか」という背景まで十分に伝えきれませんでした。その結果、現場で小さな自己判断やショートカットが生まれ、ヒューマンエラーにつながっているという課題を抱えていましたが、映像の導入によりこれを解消しています。

現場に必要なことを「視覚的な標準」として映像化することで、国籍や読み書きのレベルに関係なく、誰にでも同じ理解度で重要なポイントを伝えられるようになりました。ラインや作業場所にQRコードを配置し、作業前にまず映像で確認する習慣を定着させたことで、手戻りや繰り返し説明の回数が減っています

こうした視覚的な標準化の取り組みが、多国籍拠点間での同じ基準の展開や、ヒューマンエラーの削減を通じた品質保証の仕組みづくりに寄与しています。

同社が活用している動画マニュアル「tebiki現場教育」の詳細な機能や事例については、以下のサービス資料をご覧ください。

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溶接スパッタの取り方と除去作業のコツ

どんなに対策しても付着するスパッタは、適切な道具とタイミングで除去することが重要です。選び方や力加減を間違えると、母材を深く傷つけて無駄な工数が増えてしまうからです。大前提として、除去作業はスパッタが完全に冷えてから行うよう若手に徹底してください。高温状態で触れると、深刻なやけどを負う危険を伴うためです。作業効率を上げるため、「いつ・何を使うか」の判断基準を現場の標準ルールにしましょう。

関連資料:カンコツが伝わる! 現場で使われる作業手順書のポイント

ツール別・スパッタ除去の手順と使い分け

除去作業の工数を極力減らすには、付着の程度に応じたツールの使い分けが効果的と言えます。状態に合わない道具を選ぶと、母材の削りすぎや無駄な作業時間の増大を招いてしまうからです。ポロっと取れる軽度のスパッタには、約30度の角度で当てて弾き飛ばすスクレーパーを使用しましょう。

強く広範囲のスパッタの付着にはグラインダーを使いますが、母材を傷つけない繊細な力加減が必要になります。複雑な形状や入り組んだ狭い箇所には、針を振動させて落とすニードルスケーラーを活用してください。若手や外国人労働者が迷わず道具を選べるよう、以下の対応表を現場の基本ルールに定めましょう。

除去する道具最適な用途と特徴作業のコツ・注意点
スクレーパー軽度の付着・平滑な面約30度の角度で押し出す
グラインダー強固な付着・広範囲母材を削らない力加減
ニードルスケーラー入り組んだ箇所や隅針の振動で細かく砕く
薬剤(付着防止剤)溶接前の付着防止開先への塗布は絶対避ける

まとめ:溶接スパッタ対策は「発生抑制〜除去〜教育定着」の3ステップで考える

溶接スパッタの課題を根本から解決するには、発生抑制、除去、教育定着の3ステップで考えることが重要です。対策の知識を現場の全員が正しく実行できなければ、品質不良や手直し工数は減少しないからです。

まず適切な条件設定で発生を抑え、防止剤や養生で付着を防ぎましょう。万が一付着した場合は、状態に合った道具を正しく使い分けます。そしておすすめなのが、一連の正しい手順を動画マニュアル等で標準化する取り組みと言えるでしょう。ベテランの暗黙知を視覚的に共有すれば、若手や外国人作業員でも迷わず手順を再現できます。属人化した指導から脱却し、誰でも同じ品質を保てる強固な現場の仕組みを作り上げてください。

関連資料:かんたん動画マニュアル作成ツール「tebiki現場教育サービス資料」

引用元/参考元

*1:日本産業規格の簡易便覧「JISZ3001-7:2018 溶接用語-第7部:アーク溶接」

*2:職場のあんぜんサイト「リチウムイオン二次電池部材製造設備をプラズマ溶断で解体中、設備内に滞留したメチルエチルケトンが溶接火花により引火爆発」

*3:一般社団法人日本溶接協会 溶接情報センター技術情報「シールドガスのアーク現象、溶接金属性能に及ぼす影響」

*4:一般社団法人日本溶接協会「マグ溶接でのスパッタの発生要因と防止策について教えて下さい。」

*5:フジオーゼックス株式会社「“形だけ”の標準書から“現場で使える”標準書へ!フジオーゼックスが動画マニュアルで実現したIATF文書管理の改革」

*6:MSSステンレスセンター株式会社「ステンレス鋼の加工業務に動画マニュアルを導入し、現場教育のバラつきを削減」

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