現場改善ラボ 記事一覧 お役立ち情報 OJTの指導時間を83%削減。「つきっきりの指導」から脱却し、指導者の負担をなくす仕組みの作り方

教育にかかるOJTの工数を8割削減できたとしたら、現場のパフォーマンスはどれほど向上するでしょうか?

確かに、多忙を極める現場において、即戦力を育てるための実技指導(OJT)は不可欠です。
しかし、指導者が本来の業務を止めてつきっきりで指導するスタイルは、指導者自身の負担を増やし、現場全体の効率化を阻む要因となってしまいます。

本記事では、大手食品メーカーのテーブルマーク株式会社がいかにして指導時間を83%削減しながら、現場の自走化を実現したのか。その具体的な運用方法を解説します。

OJTへの過度な依存が引き起こす「現場の課題」

新人への指導をOJTや口頭伝承に頼り切ることで、どのような影響が生じるのか。
現場に生じる具体的な問題点を以下の表で整理してみましょう。

【過度なOJTが現場に与える影響】

発生する問題なぜ起きるか現場への影響
指導者の負担指導に時間を取られ、本来業務が後回しになる現場改善に充てる時間がなくなる
指導内容のばらつき複数の指導者がいる場合、
それぞれの経験や勘によって教える内容が異なる
新人が何を正解とすべきか
判断できず混乱する

指導者によって教え方が異なる状況では、新人は「何が正解か分からない」まま作業を進めることになります。
そのたびに指導者への確認や再指導が発生し、結果として教育にかかる工数がさらに膨らんでいきます。これが、OJT依存の現場が抱える構造的な問題です。

「マニュアル化」しても指導の負担が減らない理由。紙やExcelの限界

「OJTの負担が大きいなら、マニュアルを整備すればいい」と考える方も多いかもしれません。

しかし、現場のマニュアルは一般的に紙やExcelで作成されるケースが大半であり、いざ整備してみても内容が正確に伝わらず、
結局「ここは、このようにやってね」と口頭での補足が必要になるケースがほとんどです。
正確に伝わりづらい項目を、以下の表にまとめました。

【紙 / Excelでのマニュアルの限界】

課題項目紙・Excelの手順書
暗黙知の伝達✖ 文字や写真では「力加減」や「速度」が伝わりづらい
理解スピード✖ 人によって文章の解釈が異なり、誤認が生じる
外国語対応✖ 専門用語の翻訳が難しく、理解度が低下しがち

紙やExcelで作成したマニュアルでは、作業の「一連の流れ」や「タイミング」を再現できません。

教育時間を83%削減。テーブルマークが実践した「教える時間を最小化する」運用術

冷凍食品大手メーカーのテーブルマーク株式会社の現場では、マニュアルは存在していたものの、指導者によって教える内容にばらつきがありました。
教え方が人によって異なるため、新人が改めて「正解」を確認するたびに指導者を呼び出す場面も多く、新人1人あたりの指導工数は合計5〜6時間にのぼっていました。

同社は動画マニュアルを活用することで、この「指導のばらつき」を解消し、同時に「教育にかかる膨大な工数」も劇的に削減することに成功しました。

どのように「教育工数の大幅な削減」を実現したのか、詳しくみていきましょう。

指導工数を6時間から1時間へ。「OJTは1回、あとは動画で復習」という仕組み

同社が取り組んだのは、指導フローの根本的な見直しです。
何度も同じことを繰り返しOJTで教える運用から、「実技指導(OJT)は最初の1回のみ。あとは各自が動画マニュアルを見て復習する」という運用に切り替えることで、指導工数を6時間から1時間へと削減しました。

【教育工数の劇的な変化】

指導フェーズ導入前(紙・OJT中心)導入後(動画マニュアル活用)
実技指導(OJT)何度も繰り返し実施1回のみ
フォロー対応複数回対応が必要動画で自己復習
合計計5〜6時間計1時間(83%削減)

また、業務中に不明点が出た際には、現場の機械に貼られたQRコードをiPadで読み込み、「正解の動き」をその場で確認して自己解決できる環境を整えました。

なぜこれほど「教育工数の削減」が実現できたのか?3つの理由

動画マニュアルの導入によって、同社が「指導工数の削減」を実現できた理由は以下の3点です。

① 感覚的な作業の「可視化」
言葉では伝えづらい「この角度で保持する」といった感覚的な情報を、映像と音でそのまま伝えられるようになりました。反復指導が1回で済むようになり、新人が「正解の動き」を迷いなく再現できるようになります。

② 現場での「自己解決」の仕組み
QRコードを読み込めばすぐに動画で確認できる環境により、不明点があっても指導者をその都度呼び出す必要がなくなります。現場が指導者に依存しない自律的な状態へと変わります。

③ 外国語対応による理解度の底上げ
外国人スタッフが母国語で手順を正しく理解できるようになり、理解不足によるミスが減少。品質向上と指導工数の削減を同時に達成しています。

動画マニュアルツール「tebiki現場教育」

テーブルマーク様がこれらの成果を実現するために活用されたのが、動画マニュアルツール「tebiki現場教育」です。

動画マニュアルと聞くと、「作るのが大変そう」「管理が難しそう」と感じる方もいるかと思います。tebiki現場教育は、そういった不安を解消する機能を備えています。

誰でも「伝わるマニュアル」を簡単に作成

  • かんたん作成 / 編集:現場で撮影し、スマホやタブレットで直感的に編集可能。専門知識は不要です。
  • AI自動字幕 / 翻訳:AIが音声を自動でテキスト化。100ヶ国語以上の翻訳に対応しており、外国人スタッフへの教育格差も解消します。

テスト機能とスキルマップで、教育の抜け漏れを防ぐ

tebikiは単なる動画視聴ツールではありません。

  • 習熟度テスト:動画視聴後にテストを実施。受講者が「本当に正しい手順を理解したか」を客観的に判定し、教育の「わかったつもり」を防ぎます。
  • スキルマップ連携:誰がどのスキルを持っているかを可視化。これにより、教育の抜け漏れを防ぎ、管理者はデータに基づいた効率的かつ計画的な指導が可能になります。

指導工数の削減を実現した3社の事例

「tebiki現場教育」を活用し、指導工数の削減を実現した3社の事例をご紹介します。
事例①:日世株式会社
事例②:ASKUL LOGIST株式会社
事例③:ソニテック株式会社

日世株式会社:研修1回あたりの時間を2時間→10分に短縮

  • 導入前の状況
    日本で唯一のソフトクリーム総合メーカーである日世株式会社では、入職時研修を教育担当者が週2〜3回、1回2時間の講義で実施していました。担当者によって強調するポイントが異なることで新人への伝わり方に偏りが出るほか、担当者の急な休みが発生した際の対応も課題でした。
  • 解決策
    研修の内容を動画コースとしてtebikiに集約。新人が各自で受講できる体制を構築しました。
  • 成果
    教育担当者の稼働が、1回あたり2時間から10分(1/10)に削減されました。また、外国語の自動翻訳機能の活用により、外国人スタッフの理解度テスト正答率が100%近くまで向上しました。

ASKUL LOGIST株式会社:新人教育1回あたりの時間を2時間→30分に短縮

  • 導入前の状況
    全国15拠点を展開するASKUL LOGIST株式会社では、入社時の導入教育でOJTと紙の手順書を組み合わせていましたが、動きや注意ポイントが紙では伝わりきらず、現場に入ってから繰り返し教え直す工数が生じていました。
  • 解決策
    導入時教育や安全教育を動画マニュアルに置き換え、視覚的に理解しやすい教育へと標準化しました。
  • 成果
    毎月4〜5回実施していた導入教育の1回あたりの説明時間が、2時間から約30分に短縮されました。現場での再指導もほぼゼロになっています。

ソニテック株式会社:3ヶ月間のマンツーマン指導を実質ゼロへ

  • 導入前の状況
    建築副資材の物流を担うソニテック株式会社では、荷主や便によってピッキング手順が異なるため、新人1人につき3ヶ月間のマンツーマン指導が必須でした。
  • 解決策
    すべてのピッキング手順を動画化し、現場にQRコードを設置。新人は入社後に研修コースを視聴し、作業中の不明点もQRコードからその場で確認できる体制を整えました。
  • 成果
    3ヶ月間必須だったマンツーマン指導が実質ゼロになりました。「迷ったらQRコードで動画を確認する」という自律的な学習環境が実現し、指導側・学ぶ側双方のストレスも軽減されています。

忙しい現場で「最初の一歩」をどう踏み出すか?導入の壁を乗り越えるポイント

「動画マニュアルの効果はわかった。でも、忙しい現場で動画を作る余裕なんてない」——。
この不安に対し、各社は以下のような工夫で「導入の壁」をクリアしています。

「業務の一環」として組織全体で取り組む

テーブルマーク様でも、導入初年度は現場から「業務が忙しい中でボランティアで動画を作ることはできない」という声が上がりました。

しかし、動画作成を「tebikiプロジェクト」として業務の一環に位置づけ、プロジェクトリーダーを選定したうえでtebiki専任サポート担当者の伴走支援を受けながら取り組むことで、現場が主体的に動き出しました。

作成のハードルを極限まで下げる

ASKUL LOGIST様では「スマートフォンで撮影した動画をそのままアップロードできる手軽さ」が現場に受け入れられました。

また、ソニテック様では自動字幕生成機能を活用することでテキスト入力の手間を省き、今では1本5〜10分で制作できるまでになっています。

まとめ OJTの指導時間を削減し、現場改善のための時間に変える

動画マニュアルの活用によって生まれた時間は、単なる余裕ではありません。これまで指導に追われていた教育担当者が、本来取り組むべき「現場改善」や「人材育成の設計」に注力できるようになることこそが、最大の価値です。

指導者の負担をなくし、新人が迷わず働ける仕組みの構築。
その第一歩が、現場のパフォーマンスを次のステージへと押し上げます。

今回ご紹介した各社が活用した、現場で誰でも簡単に動画が作れる『tebiki現場教育』の詳細資料を、こちらからご確認いただけます。

参考文献・出典

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