現場改善ラボ 記事一覧 お役立ち情報 【無料テンプレも】HACCPで取るべき記録とは?重要性や事例、デジタル化の方法を紹介

衛生管理の重要性がますます高まる中で、HACCPは効果的な衛生管理の手法として注目されています。しかし、導入したものの「どこをどう記録したらいいのか難しい」「従業員にお願いしても記録方法がバラバラ…」と悩みを抱えてはいませんか?

本記事では、専門家による執筆・監修のもと、HACCPの導入にあたって必ず押さえておきたいポイントから、記録が必要になる文書例、導入時の注意点など実践的なアドバイスをお届けします。無料でダウンロードできる「エクセル記録表テンプレート」もご用意しているので、ぜひ最後までご覧ください。

大手食品メーカーで食品衛生責任者を経験。その後、大手消費財メーカーでトクホ商品の開発や品質保証に従事し、室長として監査やフードディフェンス体制の構築を担当。

農林水産省ではHACCP政策に関わり、日本版衛生管理プログラムの設計を推進。GFSIのアジア唯一のメンバーとして、日本ローカル組織の立ち上げにも尽力。

現在は食品安全の教育とコンサルティングに注力し、HACCP責任者や米国FDA予防管理適格者など1000名以上の育成に尽力している。著書「図解即戦力 食品衛生管理のしくみと対策がこれ1冊でわかる教科書-HACCP対応-」はAmazon食品科学部門で第1位を獲得。

目次

HACCPの記録に関する基本情報

ここでは、HACCPで求められる「記録」についての基礎情報をおさらいしています。

HACCPの概要

そもそもHACCPとは、以下の単語の頭文字を取った言葉で、食品を製造する工程において危害の発生を予測し、その危害を防止するための重要管理点を特定して継続的に監視・記録することで、安全な食品を製造するための衛生管理手法です。

  • Hazard :危害
  • Analysis  :分析
  • Critical  :重要
  • Control :管理
  • Point  :点

2021年6月1日より食品衛生法で制度化されましたが、現時点ではHACCPを導入していないこと自体に対する罰則はありません。

しかし、HACCPが未導入だと企業イメージが損なわれる・取引先や販売ルートが減少するなどのデメリットが生じる可能性があります。罰則の適用には至らないものの、早めの対応が望ましいでしょう。

罰則対象になる2つのケースも考えられますので、詳しくは以下の記事でご確認ください。

関連記事:HACCP未導入の「罰則」は?やってないとこんな“デメリット”が…

記録はHACCP7原則12手順「記録と保存方法の設定」で求められる要素

HACCPシステムを構築・運用する上で欠かせないのが、「HACCP7原則12手順」の1つである「記録と保存方法の設定」(手順12、原則7)です。


記録と保存方法の設定とは、CCP(重要管理点)のモニタリング結果などを記録しその記録の保存方法を設定する工程です。これはHACCPプランに基づいて食品の安全管理を「確かに実施した」という客観的な証拠(エビデンス)を残し、それを管理するためのルールを定める非常に重要な工程だといえます。

HACCPの導入にあたり、記録が必要な文書例は後述する『HACCP運用で取るべき具体的な記録項目』で詳しくご紹介します。HACCPシステムを変更した際には、その都度記録を取る内容を改訂しましょう。

また、HACCPの各手順について詳細に知りたい方は以下の記事も併せてご覧ください。

▼関連記事▼
【例あり】HACCPの危害分析とは?やり方を解説!(分析表エクセル配布)
【テンプレあり】フローダイアグラムとは?意味や作成方法も
HACCPのモニタリングとは?検証との違いや設定方法も解説!

HACCPの記録表の保管期間

HACCP記録表の保管期間には明確な規定はありませんが、1年程度の保管が推奨されています。具体的には、以下の通りです。

  • 製造に関する記録は、製品の賞味期限の1.5倍
  • クレーム対応や従業員教育の記録は、3~5年間

つまり、賞味期限が1年であれば1年半の保管が推奨されるということになります。

顧客からのクレームに対応する際の原因の究明や行政の立ち入り、監査への対応のためにも保管場所や責任者を決めておき、定期的に見直すことが重要です。記録表を適切に保存し、問題解決や法的な規制に対応できる体制を整えましょう。

HACCP記録の否定できない「重要性」:コンプライアンスを超えて卓越した運用へ

HACCPシステムにおいて記録は、単なる形式的な義務ではありません。食品安全計画が適切に機能していることの証明や問題発生時の迅速な対応を可能にし、さらには企業の継続的な成長と信頼に貢献する極めて重要な要素です。

HACCPを導入・運用する上で、記録がいかに重要であるかを5つの側面から解説します。

  • 食品安全計画の「遵守の証拠」となる
  • トレーサビリティを確保し迅速な原因究明を可能にする
  • 効果的な「根本原因分析」と「是正措置」を実現する
  • 食品安全対策における「継続的な改善」を推進する
  • 従業員の「衛生意識」と「説明責任」を向上させる

なお、記録を紙やExcelで残している場合、情報の分散や転記ミス、保管・検索の手間が課題となりがちです。解決の手段として注目されている「記録のデジタル化」について、本記事の他以下のガイドブック内でも詳しく解説しています。是非ご覧ください。

>>HACCP運用の精度と効率が大幅に高まる!「記録をデジタル化する」具体的な方法やメリットを見

トレーサビリティを確保し迅速な原因究明を可能にする

万が一食品に汚染や安全上の問題が発生した場合、詳細な記録は迅速かつ正確な製品の追跡(トレーサビリティ)を可能にします。

トレーサビリティとは、「その製品がいつ、どこで、だれによって作られたのか」を追跡可能な状態にしておくことです。原材料の入荷記録や製造ロット番号、出荷記録などを紐付けておくことで、問題のある製品がどの範囲に流通したのかを迅速に特定できます。

これにより、以下のようなメリットが生まれます。

被害の最小化「どの段階で問題が発生したか」「問題の対象となるロットはどれか」が即座にわかるため回収(リコール)範囲を限定でき、被害を最小限に抑えられる
コストの削減原因究明や対応にかかる時間・手間といったコストを大幅に抑えられる
信頼性の向上迅速な情報開示と適切な対応は企業の評判を守り、顧客満足度や信頼性の向上につながる

一方で不十分な記録は原因究明の遅れや回収範囲の不必要な拡大を招き、結果として企業に大きな損害を与える可能性があります。解決のためには、記録を正確かつリアルタイムに管理できる仕組みの構築が欠かせません

紙やExcelによる記録では、情報の抜け漏れや転記ミス、共有の遅れが発生しやすく、緊急時の対応スピードを著しく低下させます。こうした課題を防ぐには、デジタル帳票による一元管理が効果的です。

>>紙帳票をデジタル帳票に切り替えるメリットや具体的なツールについて知りたい方はこちら!

効果的な「根本原因分析」と「是正措置」を実現する

HACCPの記録は食品安全上の問題や基準からの逸脱(例:加熱温度が足りなかった)が発生した場合、その根本原因を特定し、効果的な是正措置を講じるための重要な情報源となります。

「なぜその問題が起きたのか」を分析する際、過去の記録は貴重なデータとなります。特定の工程で問題が起きやすい傾向やパターンを発見できれば、場当たり的な対応ではなく根本的な解決策を導き出せます
汚染が発生した際の状況と取られた是正措置を正確に記録することは、同様の事態の再発を防ぐための教訓となりえるのです。

しかし、紙媒体で記録していると情報の検索や分析に時間がかかり、蓄積したデータを十分に活用できません。結果として原因が表面的な把握にとどまり、再発防止につながりにくくなります。記録をデジタル化すれば異常や是正措置の履歴を迅速に把握できるため傾向分析や共有も容易になり、より効果的な改善が可能になります。

>>迅速な分析・データ活用に役立つ「記録のデジタル化」について知りたい方はこちらをクリック!

食品安全対策における「継続的な改善」を推進する

記録は「取って終わり」ではありません。蓄積された記録は自社の食品安全計画の有効性を評価し、改善の余地がある領域を特定するための貴重な「データ」となります。

デジタルHACCPシステムなどを活用して記録されたデータを分析しグラフやレポートとして可視化すれば、管理者は食品安全対策の現状を客観的に把握し、データに基づいた意思決定(データドリブン)を行うことができます。

記録を定期的に見直し・監査することで管理策が適切に機能しているかを確認し、必要に応じて改善策を検討する。この「PDCAサイクル」を回すことで、食品安全管理のレベルを継続的に向上させることが可能となります。なお、記録のデジタル化に役立つ「tebiki現場分析」を使えば、Excelへの転記や関数を組まずとも簡単にデータをパレート図や棒グラフなどさまざまな形式にグラフ化できます

▼tebiki現場分析による不良品・不良率の自動集計ダッシュボード▼

tebiki現場分析のサポート体制やその他の機能についても詳しく知りたい方は、以下のリンクをクリックしてください。

従業員の「衛生意識」と「説明責任」を向上させる

日々の業務において「記録を作成する」という行為は従業員一人ひとりの食品安全に対する意識を高め、責任感を醸成する効果があります。

HACCPの明確な衛生管理計画に基づいた行動と、それを日々チェックし記録に残すというプロセスを通じて、従業員の衛生意識は自然と向上し、組織全体の品質維持につながります。

特にデジタルシステムでは、「誰が」「いつ」記録したのかが明確に残るため、従業員の「説明責任(アカウンタビリティ)」が向上します。なぜ記録が必要なのか、その重要性を従業員が正しく理解し、正確に記録することへの責任を認識することで、より積極的かつ注意深く食品安全に取り組む姿勢が育まれます。こうした意識の基盤となるのが衛生教育であり、日常の記録業務を通じて教育内容が実践へと結びつくことで、従業員の衛生意識は一過性ではなく継続的に定着していきます。

衛生教育を通じた衛生意識の醸成や衛生管理が根付く具体的な教育法については、以下の資料で詳しく解説しているため本記事と併せてご覧ください。

>>食品トラブルを防ぐ!衛生管理を「守られる仕組み」に変える具体的な教育法を見てみる

現場からの学び:HACCP記録の影響を示す事例

実際に、HACCP記録が食品企業の安全管理に大きく貢献した事例は数多く存在します。一方で、記録の不備が原因で深刻な問題を引き起こした事例も少なくありません。以下に、それぞれの代表的な事例を示します。

現場改善ラボのメルマガに登録いただいたら無料でダウンロードできる「HACCP記録表のエクセルテンプレート」を以下の2種類ご用意しました。HACCP導入をして衛生管理を向上させるために、ぜひご活用ください。

▼〈成功事例〉HACCP記録によって食品安全と品質を向上させた例▼

業種・企業実施内容・背景結果・効果
レストランチェーン温度管理をデジタル記録化食品の腐敗による廃棄量を削減し、食中毒リスクを低減
冷凍食品メーカー金属探知機の稼働状況を日々記録故障を早期発見し、金属片混入事故を未然に防止
パン製造工場オーブン温度の記録を分析温度変動の影響を特定し、品質と安全性を向上

このようにHACCP記録を適切に管理することで、問題の兆候を早期に把握し迅速な対応が可能になります。デジタル化された記録は「誰が」「いつ」「どの工程で」作業したかが明確になり、原因究明や改善策の検討をスピーディに行える点が大きな利点です。

一方で、記録の不備が原因で深刻な問題を引き起こした以下のような事例も少なくありません。

▼〈失敗事例〉HACCP記録の不備が原因で問題が発生した例▼

業種・企業実施内容・背景結果・効果
サラダ菜生産者危害分析・記録が不十分大腸菌O157による食中毒が発生
食品加工施設バッチ記録の欠落・不完全汚染製品の特定に時間を要し、リコール範囲が拡大
食肉加工工場温度記録の管理不足細菌が増殖し、大規模リコールに発展

近年では、デジタルHACCPシステムの導入と食品安全インシデントの減少には明確な相関が確認されています。リコールデータの分析でも食品リコールの多くが「不十分な記録管理」を原因としており、適切な記録運用が行われていれば防げた可能性が高いことがわかっています。これらの事例は、HACCP記録の精度と継続性が食品安全体制の強化に直結することを示しています。

>>HACCP運用の精度と効率が大幅に高まる!「記録をデジタル化する」具体的な方法やメリットを見る

次章では、HACCP運用で実際に記録すべき具体的な項目について解説します。

HACCP運用で取るべき具体的な記録項目

HACCP運用で取るべき記録について、基本的な内容と応用的な内容の2つに分けて詳しく解説します。また、以下の記事でもHACCPで文書管理すべきものをご紹介しています。より詳しく知りたい方は併せてご覧ください。

関連記事:HACCPで文書管理すべきものは?効率化の方法・ツールも紹介!

基本的な内容:主に記録すべき3項目

HACCPで重要視される記録として、主に以下の3つが挙げられます。

  • 重要管理点(CCP)のモニタリング記録
  • 逸脱・改善措置の記録
  • 一般衛生管理プログラムの実施記録

重要管理点(CCP)のモニタリング記録

HACCPプランの核となる工程である「重要管理点(CCP)」が、安全の基準値(CL:管理基準)を確実に満たしているかを継続的に監視(モニタリング)し、その結果をリアルタイムで記録します。これは製品が安全な手順で製造されたことの最も直接的な証拠となります。

▼主な記録項目▼

加熱工程の記録中心温度の測定結果(例:「76℃ OK」)
金属検出の記録テストピースの反応結果(例:「検出良」)
冷却工程の記録冷却時間と品温(例:「4時間で10℃到達 OK」)

関連記事:HACCPのモニタリングとは?検証との違いや設定方法も解説!

逸脱・改善措置の記録

もしCCPのモニタリング結果が管理基準から外れた(=逸脱した)場合に、「いつ、何が起き、どう対応し、今後はどうするか」を詳細に記録します。これは問題が発生した製品の出荷を防ぎ、同じミスを繰り返さないための重要な記録です。

▼主な記録項目▼

逸脱内容の発生記録どのような問題が起きたか(例:「加熱不足」「金属検出アラーム」)
原因の究明なぜ問題が起きたか(例:「機械の不具合」「手順ミス」)
実施した改善措置問題の製品や工程にどう対処したか(例:「当該ロット廃棄」「再加熱」)
再発防止策と検証今後同じ問題を起こさないための対策(例:「点検強化」「手順再教育」)


>>HACCPに基づく「衛生管理手法」について細かく確認したい方はこちらをクリック!

応用的な内容:主要な食品安全分野における記録の活用

先述したような基本的な内容に加え、下記の内容も記録に残すことでより徹底した衛生管理につながります。

  • 異物混入防止に関する記録
  • 従業員の衛生管理(身だしなみ)に関する記録
  • 作業着の管理に関する記録

これらの記録を取ることに加え、従業員への衛生教育も行うことで抜け漏れのない衛生管理体制が築けるといえるでしょう。衛生管理を「守られる仕組み」として定着させる方法やコツについては、以下の資料をご参照ください。

>>食品トラブルを防ぐ!衛生管理を「守られる仕組み」に変える教育法をみてみる

異物混入の防止:効果的な監視と文書化の実施

異物混入は食品の安全性を脅かす重大なリスクです。これを防ぐには、どこで異物(金属片、プラスチック、ガラス、毛髪など)が混入する可能性があるかを特定したうえで対策を講じ、そして「対策を確かに実施した」という記録を残すことが不可欠です。

▼主な記録項目▼

リスク評価の記録(ハザード分析)全工程で、どのような異物がどこで混入しうるかを特定した文書
日常の監視・点検記録ふるい、フィルター、マグネット等の破損・異常の有無
受入検査の記録入荷時に異物混入がないかチェックした結果
機器の管理記録(メンテナンス・校正)金属探知機等の作動テストや、設備のメンテナンス・清掃の記録

身だしなみと衛生管理:トレーニングとコンプライアンスの文書化

従業員の手指や頭髪は、微生物汚染や異物(毛髪など)混入の主な原因となり得ます。そのため従業員への衛生教育を実施し、ルールが守られているかを日々チェックした記録を残すことが重要です。

▼主な記録項目▼

教育訓練の記録いつ、誰に、どのような内容(手洗い、身だしなみルール等)の教育を行ったか
日常の衛生チェック記録作業開始前の手洗い、身だしなみ、健康状態の確認結果
是正措置の記録ルール違反があった場合の指導・改善内容
訪問者の管理記録外部業者の入室時の衛生チェック結果

関連記事:食品工場の身だしなみチェックリスト!服装ルールや守ってもらう秘訣を解説

作業着管理:使用状況、清掃、メンテナンスの追跡

作業着は外部からの汚染物質を作業場内に持ち込まず、また従業員から食品への汚染を防ぐための重要な「バリア」です。作業着が常に清潔で適切に使用されていることを保証するために、管理記録が必要となります。

▼主な記録項目▼

作業着の仕様に関する記録リスクに応じた作業着の仕様(ポケット無し、素材等)を定めた文書
管理・運用の記録作業着の配布、交換、洗濯・クリーニングの実施履歴
教育訓練の記録正しい着用方法、保管ルール、破損時の報告ルール等を教育した記録

関連記事:【テンプレあり】食品工場の入室マニュアル見本例!効果的に衛生管理を行うには?

エクセル版HACCP記録表の無料ダウンロード

現場改善ラボのメルマガに登録するだけで無料でダウンロードできる「HACCP記録表のエクセルテンプレート」を以下の2種類ご用意しました。HACCP導入をして衛生管理を向上させるために、是非ご活用ください。

重要管理点(CCP)のモニタリング記録表

CCP記録表キャプチャ

▼テンプレートのダウンロードはこちら▼

改善措置記録表

改善措置記録表キャプチャ

▼テンプレートのダウンロードはこちら▼

職場のパソコンにExcelが入っている方にとっては、Excelでの記録管理が始めやすいでしょう。しかしExcelでの記録は分析しにくい・モバイル端末で記録が行いにくいといったデメリットが存在します。

こういったデメリットを解消するには、専用のデジタル記録ツールを活用するのがおすすめです。Excel以外で記録のデジタル化に挑戦したい方は、以下のリンクから「はじめてのデジタル化ガイド」をぜひご覧ください。デジタル化を進める手順やおすすめのツールを詳しく解説しています。

HACCPの記録に重要なのは「簡単に記録が取れる」こと

人員が足りていない現場であればあるほど「〇時までに終わらせないと」「ノルマを達成しないと」と焦る気持ちから、記録はないがしろにされてしまいがちです。そのうえ記録が面倒だと、作業開始までの時間が遅れたり、記録が軽視されてしまうでしょう。

そのため、HACCPに関する記録を正しく取り続けるには「簡単であること」が重要です。
簡単であれば、運用の効率化 / 正確性の確保 / 迅速な原因究明につながり、効果的な衛生管理が可能になります。そこで、簡単な記録を実現するために、電子化をおすすめします。

HACCPの記録は電子化がおすすめ

HACCPの記録を電子化することで、記入が効率化できると同時に経費の削減にもつながります。また、過去の情報へのアクセスが容易になるので、調べたい情報をすぐに手に入れることが可能です。

電子化することで得られるそのほかメリットは、以下の通りです。

  • リアルタイムでの情報共有が可能になる
  • データ分析が行いやすくなる
  • セキュリティが向上する
  • 紙の劣化リスクを避けられる など

エクセルによる電子化にはこんなデメリットが

エクセルで記録を取っている企業や工場が多いですが、エクセルには以下のようなデメリットがあります。

  • モバイル端末で記録が行いにくい
  • 情報がリアルタイムで更新されない
  • 分析するには一定のスキルが必要
  • 画像挿入に手間がかかる など

エクセルでの記録は手軽に始めやすいですが、HACCPの記録を衛生管理により効果的に活用したいのなら、記録や分析を簡単に行えるツールの導入がおすすめです。

記録のデジタル化なら「tebiki現場分析」が使いやすい◎

かんたんデジタル現場帳票

記録のデジタル化を行うにあたっておすすめしたいのは、「tebiki現場分析」です。tebiki現場分析は、記録帳票の作成 / 記録 / 承認 / 分析が簡単にできるサービスで、画像の記録や、遠隔地での記録閲覧もリアルタイムで可能になります。

tebiki現場分析の機能や料金プランについて詳しく知りたい方は、以下のリンクからサービス資料を無料ダウンロードしてぜひご覧ください。

>>>かんたんデジタル現場帳票「tebiki現場分析サービス資料」を見る

以下では、tebiki現場分析の特長を一部ご紹介します。

記録フォーマットが簡単に作成可能

画面の案内に沿って設定を進めるだけで、記録時の入力形式や選択肢の登録、正常値の設定などができ、複雑な計算式やマクロを組み込む必要がありません。また、溜まったデータを簡単に可視化・分析することも可能! データを分析することで、異常を早期発見できます。

tebiki現場分析

モバイル端末でもストレスなく記録が取れる

「スマートフォンやタブレットなどのモバイル端末では、細かい記録ができないのでは?」と思われる方も少なくないでしょう? 確かに、モバイル端末に最適化されていないExcel形式で入力する際、スマートフォンやタブレットの画面は小さいためスクロールやセル選択が難しく、データを入力する際にミスしやすく時間がかかりがち。
ですがtebiki現場分析は、モバイル端末での記録を前提としたフォーマットのため、ストレスなく記録が取れます。紙やExcelでは面倒な、画像記録も簡単に実現できるのも嬉しいポイントですよね。

異常値アラートにより事故を未然防止

tebikiなら異常値の際にアラートで知らせてくれることが分かる図

異常発生を検知すると、アラートメールが発信され現場の状況をリアルタイムで把握できます。

日々の記録をクラウド化することで、どこでも瞬時に確認でき、素早い業務指示が可能です。とくに、冷蔵庫や冷凍庫の故障は、食材の全廃棄にもつながる命取りな問題……。ですが、異常値から外れた場合すぐに連絡が行くので、迅速に対処できるでしょう。

その他にも、無料サポート体制や定時記録機能など、充実した機能が盛りだくさんです。tebiki現場分析についてより詳しく知りたい方は、以下からサービス資料をぜひご覧ください。

作業時間が2時間から1分へ!紙の記録をデジタル化した企業事例

食品関連事業者ではありませんが、帳票のデジタル化によって大きな効果を得ている「共栄工業株式会社」の事例をご紹介します。Excelでの記録表運用に課題がある方は、ご参考になるかと思いますのでぜひご覧ください。

▼動画マニュアルtebiki活用事例動画:共栄工業株式会社▼

共栄工業株式会社は、スチール製家具の生産販売を行っている企業です。同社は、高品質な製品を提供するために、検査や点検の記録を残すことが非常に重要であると認識していました。ところが、記録することが目的となっている・分析が後回しになる・作業に膨大な時間がかかるといった課題を抱えていたそうです。

そこで、効果的に記録データの活用をするために、tebiki現場分析を導入。

その結果、作業に時間を取られていたExcelへの転記作業が不要になり、記録の集計作業が「1日2時間から約1分」にまで削減することに成功。さらに、記録した数値は自動でグラフ化されるため、業務改善にも繋がっているとのことです。

「記録・集計・分析の全てで効率改善に繋がっている」と話す、共栄工業株式会社の事例をより詳しく読みたい方は、以下からインタビュー記事をご覧ください。

インタビュー記事:帳票の電子化で2時間/日の集計作業が約1分に。スチール製家具製造の共栄工業のデジタル改革

HACCP導入における記録の注意点

たった1度でも記録をないがしろにしてしまうと、これまでの全ての記録が信頼されず無駄になる可能性があります。もしも、記録表に使いにくさを感じるようであれば、アレンジを加えるなどして使いやすいフォーマットを作成しましょう。

ここでは、HACCPの記録にあたって押さえておきたい以下の注意点を解説します。

  • 予想や記憶による記録はしない
  • 後から改ざんできないようにする
  • 必要以上の記録は取らない
  • 記録者 / 記録日時を明記する

予想や記憶による記録はしない

予想や記憶による記録は、客観性や正確性が確保できません。記録は必ず「データ取得時」に行いましょう

もしも予想や記憶による誤った記録を取った場合、商品に問題が生じても原因究明ができず、取引先や消費者の信用を失うことになります。法的な規制に対応するためにも、毎日適切に記録をつけましょう。

必要以上の記録は取らない

HACCPの認証を取得している工場の場合、多くの記録を残さなければいけませんが、HACCP導入の場合は、認証取得時ほど詳細な記録を取る必要はありません。必要以上の記録を取ろうとすると、記録に追われて作業に遅れが生じる可能性があるので注意が必要です。

時には記録を簡略化して、適切なバランスで記録を管理しましょう。

▼簡略化の例▼

  • 記録表テンプレートを活用する
  • 「〇」「×」で記入する
  • 「×」の項目内容の選択肢(①~⑤など)を用意しておく
  • 担当者のフルネーム記載から苗字のみに記入にする など

記録者 / 記録日時を明記する

記録する担当者は、自分の名前と確認した日付時間を必ず明記し、空白で出すことはないようにしましょう。

名前や日付、時間の記入漏れがあると、問題発生時に情報の追跡が難しくなります。一人ひとりにヒアリングして情報をすり合わせる必要も出てくるので、問題解決に多くの時間を要してしまいます。 

まとめ

本記事では、食品企業におけるHACCP記録の重要性と実践的な記録管理のあり方について解説しました。正確な記録は食品安全と食中毒予防の基盤であり、規制遵守にとどまらず、企業の信頼性と成長に欠かせません。異物混入、衛生・身だしなみ、作業着管理などの分野で、記録は未然防止や迅速対応、継続的改善を支える重要なツールです。

HACCPの記録を取る上で重要なのは、「簡単に記録が取れる」ことです。簡単さを実現するには記録を電子化することがおすすめですが、Excelで電子化した場合は記録表フォーマットを一から作る必要があることや、現場での入力ミス・記入漏れを防ぐ仕組みを自前で整える手間が発生します。また、担当者ごとに入力方法がばらつきやすく、データの一貫性を保つのも課題となります。

tebiki現場分析」は画面の案内に沿って設定を進めていくだけで、記録時の入力形式や選択肢の登録、正常値の設定などができ、複雑な計算式やマクロを組み込む必要がありません。tebiki現場分析についてより詳しく知りたい方は、是非以下の画像から資料をダウンロードしてご覧ください。

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